このページは、Mr. takaによる、若手教師のためのワンポイント・レッスンです。

第10章 楽しい集会

1 わくわくする集会

   ─みんなで初めのこと、新しいことを学ぼう─

1 自然に集る、集会する子ども達
 複数の人が集って「会する」ことを、集会といいます。なんとなく集り、無駄話をしたり愚痴を言いあったりするだけでも、立派な集会です。集った人は孤独を忘れ、ストレスを発散させることができます。特別な目的がないように思われる集りでも、それぞれの価値があります。短い放課に友達と集って雑談することは、ひとりで読書したりゲームを楽しんだりするのとは全く違う効果、価値が期待できます。
比較したいページ:1人でいることが好きな生徒

2 遊びたい人、みんな集れー!
 昼放課、運動場で遊ぶ子ども達は、「遊ぶ」という目的を持っています。例えば、サッカーをするときは、サッカーをしたい者だけが集り、集った友達どうしで自由にルールを決めます。ルールは必ず必要です。ルールがなければ楽しくありませんし、ルールを無視するものは一緒に遊ぶことができません。これと同じように、学校は「学ぶことを目的としたさまざまな集会が行われる場所」である、と考えることができます。そのルールとして教育カリキュラムがあります。教える立場の人を『教師』、学ぶ立場の人を『生徒』とします。このルールを守らなければ、学校で学習することも遊ぶこともできせん。

3 集会へ行きたい、という気持ち
 集会にとってもっとも重要なことは、ワクワクする期待感があることです。始まる前から「楽しそう!」と思えば、辛いことや詰まらないと感じることがあっても我慢できます。それができないのは、集会の目的が陳腐か、具体的な内容が不適切か、これまでの経験から期待できないからでしょう。わくわくさせるための条件は、集会の目的がはっきりさせること、集会のルールがはっきりしていること、普段の学校生活の延長線上として集会を捉えること、などです。

4 授業と集会は同じ
 ある先生が集会で話す姿を見れば、どのような授業をしているか一目で分かるものです。楽しくわかりやすい授業をしている先生の話は、集会においても同じように生徒から期待され、熱心に聞き入れられるものです。集会の時だけカッコ良く話そうとしても、絶対にできるものではありません。そのためにも、毎日の授業研究に勤しんで下さい。それができる先生は、どんなに大きな集会においても、その延長線上として立派な集会を作ることができます。「先生の授業を受けたい」「先生の話を聞きたい」「先生のもとに集りたい」と言われるようになりましょう。

5 大きなエネルギーが集る集会
 集会の楽しみは、たくさんの人が集ることです。たくさんの人が集れば、それだけ大きなエネルギーが集るのですから、楽しみもより大きくなります。楽しい気持ちと同じように、悲しみや辛い気持ちや暴力的な精神も膨らんでしまう可能性がありますが、これらは先生がコントロールして、悲しみを和らげたり落ち着いた気持ちにさせなければいけません。集団の心理を把握し、悪いエネルギーを良いエネルギーに変換し、心が豊かになるような集会になるようコントールしましょう。

6 楽しみを高めるための緊張感づくり
 本当に楽しいステージを経験した人や、ステージ上で話をしたことは直ぐに分かると思いますが、聴衆や観客が「笑うぞお〜!」と期待している時は、何を話しても盛り上がり、笑うものです。話す内容は重要ですが、それまでの雰囲気作りも非常に大切なのです。いつもと同じようなリラックスした状態では、集会の価値がありません。たくさんの人が集った時は、特別な緊張感と期待感が発生することを理解し、それを積極的に利用するようにしましょう。この雰囲気の作り方は、日本人は上手ではないので意識して勉強して下さい。ただし、不必要な緊張感は有害です。緊張感は楽しむためにあることをお忘れなく!!

note
1 どんなに人付き合いが苦手な人でも、ヒトはヒトを求めて自然に集る性質を持つ
2 一緒にいるだけで嬉しい幸せ安心、という大切な感情
3 知らない道を何時間も1人で歩いた経験がある人は、ようやく出会った見知らぬ人に大声で挨拶する自分自身に驚いた経験があることでしょう
4 集ることで得られる共感、共有、連帯感、感情の高まり、高揚感
5 好きな先生も集会に参加するから、私も行こう、という動機もある。
6 「つまらないものでも、同じものでも楽しくなる」 その逆にならないように最善を尽そう

2009年4月26日

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